PEMFと高周波・低周波の違いとは?仕組み・効果・おすすめ機器まとめ

健康・ウェルネス機器の世界では、「電気」「磁気」「熱」を駆使する装置が多数あります。

その中でも特に混同されやすいのが、PEMF(パルス電磁場)方式・高周波方式・低周波方式の3者です。

見た目や“温かさ・刺激”の印象が重なることもありますが、その原理・作用・適用範囲は大きく異なります。

この章では、3方式それぞれの構造・体感・代表機器を交えて詳しく説明し、あなたに合った方式と機器を選べるようにします。

目次

3方式の違いを比較

まずは、3方式の違いを体系的に整理します。

項目PEMF高周波低周波
エネルギー磁場電流(熱)電流(刺激)
作用細胞活性化・血流改善・修復促進温熱による血流促進・代謝アップ筋肉刺激・痛みの軽減
体感無痛・じんわり温かい温かく心地よいピリピリ・ビクビク
作用の深さ深部まで届く中〜深部表層中心
目的慢性痛・骨癒合・疲労回復冷え性・肩こり・美容筋緊張・肩こり・神経痛
代表機器OlyLife P90パナソニック コリコランワイドオムロン 低周波治療器

端的に言えば、PEMFは「磁気で整える」、高周波は「熱で温める」、低周波は「電気でほぐす」アプローチです。

PEMF(パルス電磁場)は、磁場の力で体内に微弱な電流を誘導し、細胞を活性化して血流や修復を促す“非接触型”の刺激法です。

高周波は、高い周波数の電流による摩擦熱で体を内側から温め、血流や代謝を高める“温熱型”の治療法になります。

低周波は、電極から低い周波数の電流を直接流して筋肉や神経を刺激し、コリや痛みを和らげる“電気刺激型”となります。

ポイント
  • PEMFは、刺激が苦手な人や慢性的な不調・回復促進を目指す人に向く“根本ケア型”。
  • 高周波は、冷えやコリを温めてほぐしたい人に向く“リラックス・温熱型”。
  • 低周波は、ピリピリ刺激で筋肉を動かしたい人に向く“即効ケア型”。

その人の不調の“深度”によって、ふるい分けができそうですね!

PEMF(パルス電磁場:磁場刺激方式)

PEMF方式はコイルから断続的な磁場パルスを発生させ、磁場の変化を利用して体内に微弱な誘導電流を生み出す方法です。

磁場が変化すれば電気が誘導される(電磁誘導)という原理を応用して、体の中に電流を“直接流すことなく”細胞や組織を刺激します。

以下はでんじろう先生による「電磁誘導の実験」です。参考までにご覧ください。

この誘導電流が生体内のイオンや細胞膜、微小血管などに働きかけ、以下のような反応を促すと考えられています:

  • 血流改善・毛細血管の拡張
  • 炎症抑制
  • 細胞レベルでの修復促進
  • 骨芽細胞(骨を作る細胞)の活性化
  • ミトコンドリア機能の向上

PEMFは非接触刺激であり、通常は痛みを伴わず体に優しい点が大きな利点です。

PEMF(パルス電磁場)の到達範囲

PEMFは「磁場を利用する」という点で他の方式とまったく異なります。磁場は電気と違って抵抗(皮膚・脂肪など)をほとんど受けないため、理論的には 皮膚や筋肉を通り抜けて血管や細胞レベルの深部組織にまで到達 します。

体感・特徴

PEMFを体感した症状としては、以下のようなものがあります。

  • 基本的には「無痛」「刺激なし」が特徴
  • ただし、多くの体験者が「じんわり温かさ」や「血行改善を感じる」ことを報告
  • 装置自体やコイル部分が若干発熱するケースもあるが、過度でなければ正常範囲
  • 使用時の注意として、機器取扱説明書で定められた使用時間を守る(例:30 分以内など)
  • 強制的な電流ではないので、刺激が苦手な人にも向く

代表機器:OlyLife Tera‑P90(PEMF+テラヘルツ併用型)

OlyLife の Tera-P90 は、PEMF と テラヘルツ波(THz 領域の電磁波) を併用するハイブリッド設計とされており、磁場刺激+波動刺激を組み合わせたアプローチです。

  • 装置の仕様として、出力レベルを段階調整が可能(10 段階程度)
  • 取扱説明書には「足を素足で載せる」「ソックスを履かずに使用する」「使用時間は最大 30 分程度まで」
  • さらに、ヒーター機能を備えていて、使用前にプレヒート(予熱)を行う
  • 製品公式サイトでは、P90 シリーズは「血流促進」「炎症抑制」「細胞機能改善」などを訴求
  • 出力深度に関する主張として、「皮膚下 20〜30 cm まで届く」といった説明も

使用上の注意例(取扱説明書より)

  • 使用前に出力レベルは低い段階から始め、徐々に強めること
  • 足裏が “熱すぎる” と感じたら出力を下げること
  • 使用時間を 30 分以内に制限すること
  • コイル面にカバーをかけたり衣服を挟んだまま使ったりしないこと

このように、OlyLife Tera-P90 は比較的高機能・多機能型の PEMF 装置と言えます。

高周波方式(HIGH FREQUENCY)

高周波方式では、高い周波数(数十万〜数百万 Hz 程度)の電流または電磁波を用いて、対象組織に摩擦熱(ジュール熱)を発生させます。

この“熱”が血管を拡張させ、血流を増加させ、代謝を促進することでコリや冷えを改善する手法です。つまり、この方式の主役は 熱作用であり、磁場や誘導電流は副次的・付随的なものです。

体感・特徴

  • 肌の奥からじんわり温かくなる感覚
  • 温熱刺激は気持ち良さと安心感を伴いやすい
  • 刺激感は少なく、ほとんど“温かさ”を感じる
  • 装着タイプやアタッチメント形状によって使いやすさが変わる
  • 長時間使いすぎると熱すぎると感じるリスクもあるため、付属ガイドに沿った使用が重要

代表機器:パナソニック 高周波治療器 コリコランワイド

画像引用:パナソニックより

コリコランワイドは、高周波エネルギーを利用して血行を改善する肩用治療器です。12個の高周波ユニットが肩周辺の広範囲に作用し、コリの原因である血流の滞りを解消。

軽量かつ薄型のため、長時間装着しても違和感が少なく、刺激のない穏やかな治療が可能です。

  • 「高周波が血流にアプローチ」「コリのポイントに最適配置」などが特長
  • 家庭用医療機器として、医療機器認証番号も取得しており、肩コリの改善を目的とした用途で正式に使用される設計
  • 電源・消費電力:AC100V(充電型)/消費電力 0.2 W 程度。
  • 充電と使用時間:2時間充電でおよそ 12 時間使用可能
  • 使用例・口コミ:服を着たままでも使える、刺激感がまったくない、肩まわりがじんわり温かくなる
  • メーカーは、2023年12月に「肩にはおるタイプ」のコリコランワイドを発表しており、「音・刺激がない」「日常に溶け込むデザイン性」を強調

使用上の注意例

  • コリコランワイドは「肩用」アタッチメントが付属、腰用アタッチメントは別売り。
  • 使いすぎ注意:長時間連続使用は避け、仕様書記載の時間内で使うこと
  • ペースメーカーなど電磁干渉を受けやすい医用機器との併用は禁止、妊娠中・皮膚異常部分には使わないなどの注意あり

低周波方式(LOW FREQUENCY)

低周波治療は、皮膚に貼った電極から低い周波数(1〜1,000Hz程度)の電流を直接流す方法です。刺激によって筋肉を収縮・弛緩させることで、血流を促進し、コリや痛みを和らげます。

「電気マッサージ」として家庭用機器でもおなじみの方式です。

体感・特徴

  • 「ピリピリ」「ビリビリ」など刺激を感じやすい
  • 刺激強度をユーザーが調整できる機器が多い
  • 深部への作用は弱く、主に表層〜中層筋肉に効果が及ぶ
  • 刺激過多だと不快になることもあるため、感度個人差に注意

代表機器:オムロン 低周波治療器 HV‑F312

オムロンの HV-F 系列は、家庭用の低周波治療器として定番中の定番です。HV-F312 はその一例で、肩・腰をはじめ脚・関節にも使えるマルチ用途設計です。

このタイプの機器は、強さ調整やモード切替が可能で、自分の感覚に合わせて刺激レベルを変えられる点が強みです。
また価格帯も比較的抑えられており、初めて電気刺激型機器を導入する人にも手が届きやすい製品群です。

  • オムロンの「HV シリーズ」のひとつ。エレパルス方式を採用しているモデル。
  • 肩、腰、脚、関節(足首・膝など)にも使える多用途タイプ
  • 価格・入手性が比較的手頃で、初心者にも使いやすい製品ラインナップ
  • モード切替機能・強さ調整機能を搭載しており、自分の感覚に合わせて刺激を選べる
  • 刺激系機器の性質上、パッド(電極パット)の貼り方・密着性・肌状態(乾燥・油分)などで感じ方に差が出る

使用上の注意

  • パッドを貼る肌に傷・湿疹・湿り気がないか確認
  • 刺激が強すぎると不快感やしびれを感じることがあるので、最初は弱めの設定で使う
  • 使用時間は適度に区切ること(長時間連続使用は避ける)
  • 金属プレートなどを身につけている場合、接触に注意

どんな人にどれがおすすめ?

仕組みが分かったら、次は気になるのが“自分に合うのはどれ?”ですよね。ここからは、それぞれの方式がどんな人におすすめかを解説します。

🧲 PEMFがおすすめな人

  • 電気刺激が苦手な人
  • 慢性痛や神経痛など“根の深い不調”を抱える人
  • 骨や関節の回復を促したい人
  • リラックスしながらケアしたい人
  • 日常的に予防・体質改善として使いたい人

たとえば、「冷えや足のむくみが慢性的」「痛み止めを減らしたい」という人には最適。OlyLife P90のようなPEMF機器なら、足をのせて30分ほどで体全体がじんわり温まります。

🔥 高周波がおすすめな人

  • 「温かい刺激が心地よい」と感じる人
  • 冷え・血流不良が気になる人
  • コリを深部から温めてほぐしたい人
  • 美容ケア(代謝アップ・むくみ改善)にも使いたい人

パナソニック コリコランワイドなら、服の上からでも使えて、刺激ゼロで血流改善を実感できます。
デスクワーク中や就寝時の使用にも向いています。

⚡ 低周波がおすすめな人

  • 「刺激を感じたい」タイプの人
  • 肩・腰・脚などの局所的な筋肉疲労をケアしたい人
  • スポーツやトレーニング後のクールダウンに使いたい人

オムロン 低周波治療器 HV-Fシリーズなら、強さを細かく調整できるので、刺激好きにも初心者にも対応。
価格も手頃で、初めての家庭用電気治療器としておすすめです。

まとめ|自分の“体感タイプ”で選ぶのが正解

PEMFは「磁場で細胞を活性化」するテクノロジー、高周波は「温めて回復させる」方法、低周波は「電気で筋肉を動かす」刺激型。

似ているようで、狙っている層も目的もまったく違います。目的を明確にして、自分の感覚に合うデバイスを選ぶのが失敗しないコツです。

目的・タイプ向いている方式
深部の痛み・慢性症状🧲 PEMF
冷え・血流改善・リラックス🔥 高周波
コリや筋肉疲労・ピリピリ感が欲しい⚡ 低周波

PEMF、高周波、低周波はいずれも科学的な原理に基づいたケア技術です。どれが優れているかではなく、“どんな目的で使うか”が選択のポイント。

筋肉疲労には低周波、血流促進には高周波、細胞レベルの活性化にはPEMF——。仕組みを理解し、目的に合ったテクノロジーを取り入れることが、最も効果的なセルフケアにつながります。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 日本製の高周波や低周波治療器も色々でてるんですね。
    比べるものがあってわかりやすい。
    しかし、
    比べるレベルのものではないP90の凄まじさは脅威!
    これからは、フルスピードで使う方が加速することでしょうね。
    ひとつ磁気と書いてあったところは、磁場と書いたほうが🤔いいのでは?

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